今日は「お客様をお待たせしてしまったときに必要なことは?」というテーマでお話ししたいと思います。
美容室の12月は1年の中で最も忙しい月です。いわゆる書き入れ時というやつです。ありがたいことにCIECA.もこの時期忙しくやらせてもらってますが、そうなるとどうしても店内は混み合ってしまいます。だったら予約をしっかり管理すればいい話じゃないか!との声が聞こえてきそうですが、新年を迎えるにあたり綺麗にしておきたいというお客様方のご希望を無下にするわけにはいきませんし、なるべく新年に近い時期にやりたいというご要望にもお応えしなければならず、予約が被ってしまうことも少なくないんです。申し訳ないと思いながらもなるべくお客様の時間を奪わないように丁寧かつスピーディーな施術を心掛けてはいますが、お待たせしてしまう時間ができてしまうことも避けられないのが現状です。言い訳染みていて心苦しいですが。。
ありがたいことにCIECA.のお客様は心が広い方が多いので大半の方が快くお待ちくださいます。「忙しそうですね。私のことは全然気にしなくていいですからね。」なんてお言葉もいただくこともあり、涙がちょちょぎれそうになるんですが、だからといって何時間も待たせるわけにはいきません。人間は待つ時間が15分を超えると長いと感じるそうです。仕事をしている私たちからすると15分は秒のように感じますが、お客さまの体感時間に合わせて接客しなければ即刻失客コースです。ここが非常に難しいところです。
先日もたくさんのご予約を頂き、店内がてんやわんや状態になっていた時にアシスタント1年目の子がとった対応に非常に関心しました。
かれこれ30分程お待たせしているお客様がいて、僕はその方の後ろ姿をカットしながらチラチラ見ていました。僕くらいのキャリアを積んでくると後ろ姿で人がどれくらい怒っているかが分かってきます。笑。明らかにソワソワしている様子でまずいなと感じていたときにようやく1年目のアシスタントがシャンプーにご案内しようとしてくれています。
その場面を僕はしっかりと見ていました。(もちろん目の前のお客様のカットもバッチリやっています。)
「大変お待たせしてしまい申し訳ございません。シャンプー台へご案内致します。」とお伝えしている時の表情が本当に心から申し訳なさそうにしていたんです。
これね、当たり前の接客ではあるんですが1年目でなかなかできないもんなんです。接客業をされている方ならなんとなく理解できると思うんですが、仕事がバタバタになってくると心のゆとりが取れず焦りとプレッシャーから表情がこわばっていきます。自分では笑顔のつもりでもそれが相手に伝わっていません。なんなら今はみんなマスクをしてるので目だけで表情を作らなくてはいけないのです。
そんな中、大変申し訳なさそうな表情がマスク越しでも伝わってきたアシスタントの対応は百点でした。僕としては助けられた気持ちというんですかね。スタッフにこうして欲しいと望んでいることを伝えなくてもできる。そんなスタッフがいてくれてよかったと心から思いましたね。お客様からしてもこちら側の申し訳ないという気持ちが伝わることで多少なりとも納得してくれると思いますし、お客様の時間を奪ってしまっている以上それはこちらに非があることをわかっていなければなりません。
私たちは接客のプロです。今話したようなことはここに書くまでもなく当たり前のことです。本来それができていないとお客様からお代金をいただけません。その覚悟で仕事をしています。そこは重々承知した上で今回の1年目の仕事が僕の接客業としての初心の気持ちを思い返すキッカケになりました。
本当によくやってくれました。まあその子自身は普通のことだと思ってるでしょうけどね。
年内はありがたいことにお客様より予約をたくさん頂いております。初心の気持ちを忘れずみなさまに心地よい空間を提供したいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします。
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