「おまかせでお願いします」と言われた時に美容師が考えるべきこととは?

どうも。

2年ぶりに東京で雪が積もっちゃって、そこそこの大人が滑って転びたくないので、もはや足を滑らせながらスケートのように歩いている野口です。



さて、今日は「おまかせでお願いします」と言われた時に美容師が考えるべきこととは?というテーマでお話したいと思います。

僕のお客様でも大体1割ほどの方が「おまかせで」とオーダーされる方がいます。この「おまかせ」というやつはよっぽど担当の美容師を信頼していないと出てこない言葉だし、美容師としても嬉しい言葉です。ですが、裏を返すと非常に難しくリスクのあるオーダーとも言えます。「おまかせって言ったんだから気に入らなくても文句言わないでね。」なんて言えないですからね。お客様はこの人に任せればいい感じにしてくれるだろうという期待感の方が圧倒的に強いんです。この状況で何も確認せず、バサっとハサミを入れようもんなら訴えられて終了です。では、「おまかせ」のオーダーを頂いた時にはどのように施術を進めていくのがいいのでしょうか?僕の経験をもとに僕なりの考え方をお話します。


基本的に「おまかせ」の場合、スタイルチェンジを求めている方が多いように思います。いつもの自分と違った雰囲気を手に入れたいと思っているのでヘアスタイルの長さやフォルムを大幅に変える必要があります。しかし、この辺りもしっかりと確認した上で切り進めていかないとクレームにつながる恐れがあるので仕上がりのスタイルを組み立てていく際にお客様のイメージしているポイントを抑えていく必要があります。


まず、施術前にカウンセリングをしますよね。「今日はどうしましょうか?」とか「どれくらい切りますか?」などお客様のご要望をお伺いする時間ですね。この時に「おまかせで」というオーダーを頂いたとします。その際のカウンセリング例を僕なりの視点で解説します。



おまかせと言われた時のカウンセリング例

お客様
お客様

おまかせでお願いしたいです。

野口和弘
野口和弘

かしこまりました。それではいくつかお伺いしたいのですが今日のご来店は何かをご覧になってのご予約ですか?


お客様
お客様

インスタグラムを見て予約しました。

この質問は来店ルートの確認です。SNSやホームページなどを見てのご来店ならばお店の雰囲気や提案しているデザインを気に入ってくれて来店されたことが分かりますし、ご紹介の場合でも同じです。まあ、気まぐれで飛び込み来店でおまかせと言ってくるお客様はまずいないのでここは当たり前ではあるのですが一応の確認です。

野口和弘
野口和弘

ありがとうございます。では、最後にカットされたのはいつ頃でしょうか?

お客様
お客様

最後にカットしたのは2ヶ月前くらいですね。


この質問でわかるのはそのお客様が大体どれくらいの周期で髪を切るかの確認です。周期が短い人であればその後もスタイルを作りやすいように切り込みすぎないスタイルの提案も視野に入ってきます。なので、しっかりイメージを変えたいのか、調整程度でいいのかを探ります。

野口和弘
野口和弘

2ヶ月周期でカットされるのであれば、今日は大幅なチェンジじゃない方がよろしいですか?

お客様
お客様

できれば印象をガラッと変えたいのでバッサリ切ってもらっても構いません。


さあ、美容師の腕の見せ所です。お客様は印象をガラッと変えたい。期待値も高い。ゾクゾクしますね。進めましょう。


野口和弘
野口和弘

なんとなくでもいいので、お客様の今の気分(気持ち)をお伺いしてもよろしいですか?

これです。この質問かなり重要です。例えば、お客様の今の気分的に大人っぽい雰囲気を手に入れたいという気持ちがあった場合、バシッとあごラインワンレンボブを切っちゃって前髪もワイドめな眉上ラインで作ったらいくらその方に似合っていたとしても今の気分には似合っていません。年齢を若く見せたくてカジュアルな雰囲気にしたいなあと思っている方に、ラインバリバリのエッジのきいたショートボブを作っても気分とマッチしていなければ気に入ってもらえません。なので、お客様の今の気分、どんな印象に見せたいのか、どんな雰囲気を求めているのかは最低限確認するべきことなんですね。進めましょう。


お客様
お客様

いつも老けて見られるので、可愛くてフワッとしたスタイルがいいですね。

野口和弘
野口和弘

かしこまりました。では、今の長さをあごラインまでカットして表面にレイヤーを入れましょう。そうすることで動きが出やすくなります。それと前髪も切っちゃいましょう。前髪があると若い印象になるので目の上で軽く流れるラインに設定することで顔周りに優しい印象をプラスできますよ。

お客様
お客様

わー、楽しみです!ぜひお願いします❤︎

と、ざっくりこんな感じです。もちろん、お客様によってはその他の質問もすることがありますが、おまかせスタイルをお客様に似合わせる時に大事なことはお客様の今の気分を知るということですね。非常に大事です。まあ、全く気分とかもないし完全におまかせと言われた時は自分の経験をもとに自分のベストを尽くすのみですね。それはそれでやりがいがあります。

おまかせさせていただくということは美容師にとって嬉しいことです。お客様からの信頼を頂いていますからね。なので絶対に素敵にしたいわけです。周りの人に褒められて欲しいわけです。お客様の人生を変えてしまうほどの力がヘアスタイルにはあります。お客様の期待を裏切らないためにも仕上がりのイメージの共有は必要不可欠です。「おまかせ」とは自分の技術に過信することなくお客様目線ベースで提案することが大事なのです。要するに「おまかせ」というのは「美容師さん側からの提案をくださいよ」ってことですのでそこをしっかりと理解してあげて感動を提供してあげれたらいいのかなと思います。





お客様の心に寄り添える美容師ほど素晴らしい美容師だと僕は思います。

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